トレーダーにとって、注文を行う前に損益(P&L)の計算方法を理解しておくことは非常に重要です。本ガイドでは、各種変数と損益計算との関係について、より分かりやすく解説します。
なお、BybitではUSDT建てオプションを提供しており、損益(P&L)はUSDTで決済されます。
平均参入価格
既存のオプション契約のポジションに対して新たに注文を行った場合、参入価格(平均参入価格)は取引内容に応じて更新されます。
計算式
ポジション平均価格=[(前回のポジション数量 × 前回のポジション平均価格)+(取引数量 × 取引価格)]÷(前回のポジション数量 + 取引数量)
例
アンナは、BTCUSDT-31DEC21-48000-C のコールオプションを 0.1 BTC 保有しており、参入価格は 3,500 米ドルです。アンナは、近い将来 BTC の価格が引き続き上昇すると考え、コールオプションの保有数量を増やすことにしました。そこで、参入価格 4,000 米ドルで 0.1 BTC の新たなコールオプションを建てます。
平均参入価格 = [(0.1 × 3,500) + (0.1 × 4,000)] ÷ (0.1 + 0.1) = 3,750ドル
未実現損益
未実現損益(UPL)とは、現在保有している未決済ポジションにおける現時点での損益を指します。ポジションの売買方向(ロングまたはショート)に応じて、未実現損益(UPL)の計算式は異なります。
ROI
ROIは、各ポジションの投資収益率を示します。
決済損益
決済損益とは、ポジションを決済した際に確定する損益を指します。
計算式
コール/プット買いの決済損益
(取引価格 − ポジション平均価格)× 取引数量 − 取引手数料(新規・決済)
コール/プット売りの決済損益
(ポジション平均価格 − 取引価格)× 取引数量 − 取引手数料(新規・決済)
例
コール売りの場合
BTCのインデックス価格が44,900米ドルのとき、加藤さんは平均参入価格2,600米ドルで、BTCUSDT-31DEC21-50000-Cを0.3 BTC分売却します。
その後、BTC価格が44,000米ドルまで下落した時点で、マーク価格2,400米ドルにて早期決済を行ったとします。
以下の計算式に基づき、このオプションの決済損益は52 USDTとなります。
[(2,600 − 2,400) × 0.3] − 44,900 × 0.3 × 0.03% − 44,000 × 0.3 × 0.03%.
受渡し損益
受渡し損益とは、オプションの満期到来時に発生する損益を指します。
計算式
コールオプションの受渡しRPL = Maximum (受渡し価格 − 行使価格, 0) × ポジション数量 + プレミアム(受け取りまたは支払い)− 受渡し手数料 − 取引手数料(発注)
プットオプションの受渡しRPL = Maximum (行使価格 − 受渡し価格, 0) × ポジション数量 + プレミアム(受け取りまたは支払い)− 受渡し手数料 − 取引手数料(発注)
例
コール買い:
BTCのインデックス価格は44,900ドルです。田中さんが、参入価格3,500ドルで0.1 BTCのBTCUSDT-31DEC21-48000-Cを買います。契約が失効した時点でのBTC受渡し価格は52,000ドルです。行使価格は48,000ドルで取引されていました。以下の計算式にしたがい、このオプションの受渡し損益は47.873 USDTです。
Maximum (52,000 − 48,000, 0) × 0.1 − 3,500 × 0.1 − 44,900 × 0.1 × 0.03% − 52,000 × 0.1 × 0.015%
BTCのインデックス価格が44,900ドルだった田中さんの例をもう一度見てみましょう。田中さんは、参入価格3,500ドルで0.1 BTCのBTCUSDT-31DEC21-48000-Cを保有します。オプションの受渡し損益は400 USDTです。
- 取引手数料 = Minimum (0.03% × 44,900, 12.5% × 3,500) × 0.1 = 1.347 USDT
注意:1契約の取引手数料がオプション価格の12.5%を超えることはありません。
失効が近づいている当該契約の推定受渡し価格が49,000米ドルであると仮定します。
- 受渡し手数料 = Minimum [(0.015% × 49,000, 12.5% × (49,000 − 48,000)] × 0.1= 0.735 USDT
オプションの買い手である田中さんは、コールオプションの権利を得るために売り手にプレミアムを支払う必要があります。
計算式:
プレミアム = 取引数量 × 取引価格
- 0.1 × 3,500 = 350 USDT
受渡し損益 = 400 − 1.347 − 0.735 − 350 = 47.918 USDT
決済損益および受渡し損益は、未実現損益および実現損益とは異なります。
なお、受渡し損益にはプレミアムが含まれる点にご留意ください。詳細については、以下の表をご参照ください。
実現損益
実現損益とは、オプションを満期前に決済した際に発生する損益を指します。
なお、ポジション画面(ポジションゾーン)に表示される実現損益は、そのポジションを保有してから現在までに発生した損益の合計を表します。

計算式
実現損益 = Sum (ポジションの決済損益) − 取引手数料(発注および決済)
例
さまざまなシナリオによって、ポジションのゾーンにおける実現損益がどのように違うかを見てみましょう。
シナリオ1:加藤さんは、オプションのマーク価格が2,400ドル、BTCのインデックス価格が44,000ドルのときに、0.4 BTCのBTCUSDT-31DEC21-50000-Cを買います。
取引手数料(発注) = 44,000 × 0.4 × 0.03% = 5.28 USDT
この場合、加藤さんのポジションの実現損益は-5.28 USDTです。
シナリオ2:BTCのインデックス価格が44,900ドルに上昇します。加藤さんが、平均参入価格2,400ドルで0.3 BTCのBTCUSDT-31DEC21-50000-Cを売ります。そして、マーク価格の2,600ドルでこのポジションを決済します。
実現損益(期日前) = - 5.28 USDT
取引手数料(決済)= 44,900 × 0.3 × 0.03% = 4.041 USDT
実現損益 = [(2,600 − 2,400) × 0.3] − 44,900 × 0.3 × 0.03% - 5.28 = 50.68 USDT
シナリオ3:現在、加藤さんは0.1 BTCのBTCUSDT-31DEC21-50000-Cのみを保有しています。BTCのインデックス価格が45,000ドルの時点で、0.2BTCのBTCUSDT-31DEC21-50000-Cを2,500ドルで買い足します。
実現損益(期日前)= 50.68 USDT
取引手数料(発注)= 45,000 × 0.2 × 0.03% = 2.7 USDT
実現損益(期日前)= 50.68 − 2.7 = 47.98 USDT
オプションの手数料についてさらに詳しくは、Bybitオプションの手数料の説明をご参照ください。
