USDT & USDCオプション

クロスマージンおよびポートフォリオマージンにおけるスプレッド戦略の比較 

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最終更新日:2024-10-23 17:28:30
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ブル/ベアスプレッドはコール/プットオプションの購入により実行されるオプション戦略で、同一資産で同じ満期日のコール/プットオプションを、高い/低い権利行使価格で、同じ数量売ります。

 

ベアプットスプレッドの取引を例にみてみましょう。

 

BTC価格を20,250ドルとします。トレーダーAが以下の2つのプットオプションを購入します。

 

契約

数量

参入価格

マーク価格

BTC-22JUL22-18500-P

−1

280

290

BTC-22JUL22-20000-P

1

760

750

 

クロスマージンおよびポートフォリオマージンで同じ投資ポートフォリオの取引をする場合の、必要な維持証拠金の差をみてみましょう。

 



クロスマージン

クロスマージンモードでは、オプションの購入にはトレーダーがプレミアムを支払う必要があり、オプションの売り手は買い手から支払われるプレミアムを受け取ります。しかし、売り手のUSDCデリバティブアカウントは対応する証拠金が使用されます。 

 

契約

方向

プレミアム

必要維持証拠金

BTC-22JUL22-18500-P

売り

−280 USDC

2,315 USDC*

BTC-22JUL22-20000-P

買い

760 USDC

-

 

*BTC-22JUL22-18500-Pを売るのに必要な維持証拠金の計算は以下のとおりです。

 

ポジション MM = [最大 (0.03 × 20,250, 0.03 × 290) + 290 + 0.2 % × 20,250] × 1 = 938 USDC

ポジション IM = 最大 [(最大 (0.15 × 20,250 − (20,250 − 18,500), 0.1 × 20,250) + 最大 (280, 290) × 1), ポジション] = 2,315 USDC

 

クロスマージンモードで使用される証拠金の合計は、 (2,315 − 280 + 760) = 2,795USDCです。したがって、トレーダーがクロスマージンでオプション取引にスプレッド戦略を使用する場合、使用される資金はオプションの売りで担保される証拠金とほぼ同じです。

 

詳しくは、初期マージンおよび維持証拠金の計算(オプション) をご参照ください。




 

 

 

 

 

ポートフォリオマージン

ポートフォリオマージンでは、必要とする維持証拠金は、最大損失および偶発損失引当金によって計算されます。

 

まず、あらかじめ定められた33シナリオにおける損益をみてみましょう。

 

定められた価格変動率 

および 

定められたボラティリティ変動率

合計損益

BTC-22JUL22-18500-P

BTC-22JUL22-20000-P

-15%

 ( −28%, 0%, 33%)

625.7977

−1,684.48

2,310.27

963.6231

−1,087.65

2,051.27

782.9313

−1,335.70

2,118.63

−12%

 ( −28%, 0%, 33%)

644.5096

−937.9115

1,582.42 

510.8202

−1,326.74

1,837.56 

833.5652

−622.7477

1,456.31

−9%

 ( −28%, 0%, 33%)

628.6553

−261.0196

889.6749

484.2928

−607.9572

1,092.25

391.1666

−1,016.33

1,407.50

−6%

 ( −28%, 0%, 33%)

271.8561

−751.9431

1,023.80

370.5319

−11.2155

381.7475

314.7622

−345.7032

660.4654

−3%

 ( −28%, 0%, 33%)

149.5752

−146.0243

295.5996

157.4447

−530.7827

688.2275

106.6142

140.39

−33.7758

0%

 ( −28%, 0%, 33%)

−115.2825

221.0102

−336.2927

0.386

−0.2897

0.6758

51.5862

−348.9699

400.5561

3%

 ( −28%, 0%, 33%)

−43.1967

−201.9633

158.7666

−270.5241

258.6409

−529.165

−125.25

101.7985

−227.0486

6%

 ( −28%, 0%, 33%)

−224.4368

170.5557

−394.9925

−125.541

-84.9558

−40.5852

−361.9054

274.1293

−636.0347

9%

 ( −28%, 0%, 33%)

−407.646

279.7855

−687.4316

−298.2092

215.1668

−513.376

−195.1191

6.8006

−201.9197

12%

 ( −28%, 0%, 33%)

−252.4224

77.7567

−330.1791

−427.3147

281.631

−708.9458

−350.1354

243.1088

−593.2443

15%

 ( −28%, 0%, 33%)

−384.8663

260.0402

−644.9065

−298.5118

131.9132

−430.4251

−434.6519

282.1728

−716.8248

 

計算は以下のとおりです。

最大損失 = ABS [最低 (P&L) ] = 434.65USDC

偶発損失引当金 = 0

ポジション 維持証拠金(MM) = 434.65USDC

ポジション維持証拠金(IM) = 434.65 × 1.2 = 521.58USDC

  • リスク要因 = 1.2*

※なお、市場動向が極端な場合には、リスク要因の調整が行われることがあります。

 

ポートフォリオマージンモードで使用される証拠金の合計は (521.58 − 280 + 760) = 1,001.58USDCです。 

 

上記の例では、同じベアプットスプレッドを取引する際、クロスマージンで使用される資本は2,795USDCですが、ポートフォリオマージンでは1001.58USDCのみであることを示しています。つまり、ポートフォリオマージンでの取引では、必要証拠金が大幅に削減され、資本効率が向上することになります。

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